【UG】地獄は笑いに包まれる~映画『ジョーカー』徹底解説 / OTAKING explains "JOKER"
ジョーカー に憧れた男性がついに犯罪を犯した。
京王線の車内で乗客が刺されるなどして1人が重体、16人が重軽傷を負った事件で、逮捕された男が、映画の登場人物である「ジョーカーに憧れていた」と供述していることがわかりました。
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、住居不定・職業不詳の服部恭太容疑者(24)で、きのう夜、調布市の京王線・国領駅付近を走行中の電車の中で70代の男性の胸を刃物で刺し、殺害しようとした疑いが持たれています。
私もジョーカーは好きなんですよ。
ただし、本当に模倣犯が出てくるとは思いませんでした。
非常に今の日本が危うい、ということがわかります。
ジョーカーの問題というのは、犯人に共感できないことなんですよ。
こんな理由がある、共感できる部分があって頭がいい人が悪を語る、というのではないのです。
岡田先生が言うように、本当の悪というのは稚拙で、自己中です。
犯罪を犯すことは言語道断であるし、全く同情の余地がありません。
しかし、我々はこうして社会に適合しない人たちを「使えない」と言っって悪気なく排除し、罪悪感を抱かない程度にいじめて隅っこへ追いやる。
ジョーカーを映画で見れるくらいにはお金があり、不満がありながらも生活している我々には共感できない、これがこの映画の不気味さなのです。
この事件も同じく、犯人には共感できないし、きっと社会に負けたあなたのせいだ、と言って罵倒して片付けるのでしょう。
それでも私たちはこうして見ないフリして社会から排除したもの達の復讐をどこかで恐れているのかもしれません。
彼らが私たちと関わるのは暴力だけなのです。
カーストはひっくり返らない、他人に優しくできるのは同じ階層の者達のみです。
その美しい箱庭を支える虐げている人たちには誰も目を向けない。
サンデル教授がいう「能力も運次第」と言う言葉が思い出されます。