白骨の章
それ、世間のことがらの浮々(うかうか)として定まりの無いありさまをよくよく考えて見ますと、およそ何が儚(はかな)いかと言って、人間の生まれてから死ぬまでの間、幻のような人の一生ほどはかないものはありません。
それゆえに、いまだ一万年の寿命を授かった人がいたなどということを聞いた事がありません。人の一生涯は過ぎ去りやすいものです。
今までに誰が百年の肉体を保ったでしょうか。〔人の死とは、〕私が先なのか、人が先なのか、今日かもしれないし、明日かもしれない、遅れて死に、先立ってゆく人は、草木の根元に雫(しずく)が滴(したた)るよりも、葉先の露が散るよりも数多いといえます。
それゆえに、朝には血色の良い顔をしていても、夕暮れには白骨となる身であります。もはや無常の風が吹いてしまえば、たちどころに眼を閉じ、一つの息が永く絶えてしまえば、血色の良い顔がむなしく変わってしまう、桃やすもものような美しい姿を失ってしまえば、すべての親族・親戚が集まって嘆き悲しんでも、どうする事もできません。
そのままにはしておけないので、野辺に送り荼毘(だび)に付し、夜更けの煙と成り果ててしまえば、ただ白骨だけが残るだけです。
哀れと言っただけでは言い足りません。世間のことのはかない事は、老少(ろうしょう)不定(ふじょう)の境遇でありますから、どのような人も後生(ごしょう)の一大事を心に留めながら、心から阿弥陀仏を恃(たの)み申上げて、念仏申すべきであります
何をしても所詮無意味
今回は、独身男性に向けて、足るを知る心を育て、一人で生きていくための気持ちづくりをします。
どうしても人間的な劣等感を感じてしまう時もあろうかと思います。自由だしお金も暮らしていくぶんぐらいはある、しかしどこか孤独感を感じてしまう、華やかな暮らしをしてみたい、結婚して家族がいた方がいいのではないかそんな迷いもなくはないでしょう。
そんなあなたに上記に示した白骨の章という浄土真宗のお葬式でよく奏上される文章、そして解説の動画を引用しましたのでゆっくりとご覧いただきたいと思います。
どうせ何をしたって死ぬときは一人ですし、家族がいたって仲が悪くなって誰も来ないこともあるし、仲がよければ余計に最後の悲しみは大きいわけです。
そもそも年金がもらえるまで生きれるかも分からない明日死ぬかもしれないし100歳まで生きるかもしれないそれも誰も分からないのです。
今 YouTube や様々なオンラインサロンで活躍している人達だって100年後には誰一人覚えていないでしょう。
今は華やかかもしれませんが、炎上して一瞬で消えてしまう人もいれば、年を取った時に無一文になってしまう人もいる、結局、何をやっても虚しいだけです。
そもそも生きるということすら、我々が必死に足掻いてもがいて口を吐いて地べたを這いずり回る様を上から誰か見て面白がっているだけかもしれません。
こんな世界に何の意味があるのか、必死に生きた最後に一人虚しく死んでいく、そんな人生に何の意味があるのか、その答えすらわからぬまま消えていくのです。
家族がいたところで虚しい
所詮この世から離れる時は、何一つ持って行くことはできません。とはいえ死ぬまで辛い思いをなるべくしたくないから必死に貯金をしてお金を貯めるわけですが、
年老いた時には何の楽しみもなく、食欲もなく性欲もなく、睡眠だって満足に取れない、必死に貯めたお金は病気になって病院で全て吐き出すのです。
しかも我々の年老いた時には、働いていなければいけないし、人数も多く若い現役世代が少ないから若い方の迷惑にもなっているという負い目もあるでしょう。
と言うか負い目くらいは持っておかないと老害と言われてしまいます。
ある老人ホームでは、疎まれて施設に押し込められている年寄りがたくさんいます。死なすわけにもいかない、しかし面倒も見たくないから姥捨て山に持っていくわけです。
もちろんその気持ちは理解できなくはないです。現役世代は働いてもいますし、やりたいこともありますから当然といえば当然なのかもしれませんが、
やはり、むなしいものでございます。
孤独に死んでいく準備を
今一人で生きているというのはとても自由なことで素晴らしいことだと思います。足るを知るという生活を心がけ欲を出さずに最低限の生活を送っていければそれでいいのではないかと思います。
死にゆく時はただただ消えていく、孤独死と言われますが、今は見回りサービスのようなものもありますのでそのようなものを利用すればよろしいと思います。
最後の世話をしていただく方に多少のお礼だけ残すようなお金を貯め方だけしておけば、お金もそれほど要らないのではないでしょうか。
高齢化社会がどんどんと加速していきますので、孤独死対策のようなものは今よりは充実してくると私は考えています。
食事も最低限にして運動をしっかりして死ぬまでなるべく手足が動くようにして、物を持たずにミニマリスト的な生活をして、死んだ後、整理整頓が楽なようにしておきましょう。
本当に人生はただただ虚しいものです。